顔料分散性について#2
1)顔料の分散安定化
(1)顔料粒子の静電反発力:粒径によって必要な表面電荷は異なる。サブミクロンオーダーでは100mV以上が必要であり、これを得るのは極めて困難。
(2)樹脂吸着による立体障害:上記の理由から、通常はこちらを利用。
2)粒径分布と粒径
粒径には分布があるため、粒径の中央値と範囲を表すためにDx値 を用いる。粒子の形状を球形と仮定して、粒径から相対質量を計算する。
球の体積:V
粒子の半径:r
V=(4πr^3)/3
粒径:D=2r
V=(4πr^3)/3={4π(D/2)^3}/3={4π(D^3)/8}/3=π(D^3)/6
粒子の質量:M
粒子の密度:ρ
M=Vρ
ρは全ての粒子で同じ、つまり定数として扱うと
M=Vρ=πρ(D^3)/6
6M/πρ=D^3
相対質量:M'=6M/πρ
M'=D^3
よって粒径のみで相対質量を表すことができる。
分布図において粒径を横軸、個数を縦軸にとり、昇順で積算された相対質量が全体のx%を占めるとき、その境目の粒径をDxでの粒径としている。例えばD10における粒径が0.1umであるとき、全体の10%相対質量が0.1um以下の粒子によって構成されていることになる。中央値を知るにはD50が、範囲を知るためにD10及びD90が一般的な指標となる。
顔料分散性について#1
顔料分散体において、顔料の状態が単一でなければないほど、例えば粒径にばらつきがあるほど、分散体を使用した後の工程のコントロールは難しくなるはず。目的に応じた顔料及び分散方法の選択、分散状態の評価が出来るようになることを目標に、この分野を勉強することにした。
1)顔料分散
(1)濡れ(wetting)→(2)解砕(grinding)→(3)安定化(stabilization)
(1)顔料表面の空気または汚染物質を媒体に置換する
(2)媒体中で凝集粒子を一次粒子に機械的な力で戻す
(3)電気的な反発/物理的な反発(立体障害)で安定化
2)顔料の形状と比表面積
形状は粘度、粒径は色、比表面積は分散に影響
酸化チタン:球状、粒径200-400(nm)、比表面積8-25(m2/g)
黄色酸化鉄:針状粒子、粒径100-1000(nm)、10-20(m2/g)
赤色酸化鉄:球状、粒径100-2000(nm)、比表面積1-20(m2/g)
黒色酸化鉄:立方状、粒径100-2000(nm)、比表面積2-30(m2/g)
カーボンブラック:不定形(集合体として存在)球状、粒径9-500(nm)、比表面積1-208-1000(m2/g)
3)極性
表面特性は分散に影響
低極性:カーボンブラックなど、水系媒体に分散困難、非水系媒体に分散容易
高極性:酸化チタンなど、水系媒体に分散容易、非水系媒体に分散可能
参考
「分散剤」J. JPn. Soc. Colour Mater., 78〔3〕 (2005)
「顔料の粒子形態と光学的性質」色 材, 55〔10〕758-765.1982
「図解入門よくわかる顔料分散」日刊工業新聞社
目的
自分が成長するためのアウトプットの場。
継続して勉強出来ていない。
勉強しても浅い理解で終わってしまう。
その浅い理解もすぐに抜けてしまう。
これらを解決するため、ここに日々アウトプット。
統一性や深さは気にせずとにかくやってみる。