顔料分散性について#1

 顔料分散体において、顔料の状態が単一でなければないほど、例えば粒径にばらつきがあるほど、分散体を使用した後の工程のコントロールは難しくなるはず。目的に応じた顔料及び分散方法の選択、分散状態の評価が出来るようになることを目標に、この分野を勉強することにした。

 

1)顔料分散

 (1)濡れ(wetting)→(2)解砕(grinding)→(3)安定化(stabilization)

(1)顔料表面の空気または汚染物質を媒体に置換する

(2)媒体中で凝集粒子を一次粒子に機械的な力で戻す

(3)電気的な反発/物理的な反発(立体障害)で安定化

 

2)顔料の形状と比表面積

 形状は粘度、粒径は色、比表面積は分散に影響

酸化チタン:球状、粒径200-400(nm)、比表面積8-25(m2/g)

黄色酸化鉄:針状粒子、粒径100-1000(nm)、10-20(m2/g)

赤色酸化鉄:球状、粒径100-2000(nm)、比表面積1-20(m2/g)

黒色酸化鉄:立方状、粒径100-2000(nm)、比表面積2-30(m2/g)

カーボンブラック:不定形(集合体として存在)球状、粒径9-500(nm)、比表面積1-208-1000(m2/g)

 

3)極性

 表面特性は分散に影響

低極性:カーボンブラックなど、水系媒体に分散困難、非水系媒体に分散容易

高極性:酸化チタンなど、水系媒体に分散容易、非水系媒体に分散可能

 

参考

「分散剤」J. JPn. Soc. Colour Mater., 78〔3〕 (2005)

「顔料の粒子形態と光学的性質」色 材, 55〔10〕758-765.1982

「図解入門よくわかる顔料分散」日刊工業新聞社